■目的

①未破裂胃穹窿部静脈瘤の自然史、出血のリスクファクターおよび予後について検討する。
②胃穹窿部静脈瘤出血例に対しては一時止血法と止血率、再出血予防治療施行の有無と効果
(再出血率)および治療法別効果、合併症、予後について検討

以上により胃穹窿部静脈瘤治療におけるわが国独自の治療指針の手助けとなることを目的とし、世界に通用するエビデンスの確立を目指す。

■対象

①肝硬変や特発性門脈圧亢進症等で内視鏡的に診断された胃穹窿部静脈瘤(A群とする)
②胃穹窿部静脈瘤破裂例(B群とする)

■研究デザイン

未破裂胃静脈瘤(A群):後ろ向きコホート研究
胃静脈瘤出血例群):前向きコホート研究

■治療

観察研究で特に介入は行わない。

■予定登録数と研究期間

予定登録数
①未破裂胃静脈瘤(A群)300例以上
②胃静脈瘤破裂例(B群)160例以上

登録期間:A群2007年7月~2008年3月、B群2007年7月~2009年7月
追跡期間:A群診断日~2008年10月、B群2007年7月~2012年6月

■概念モデルのシェーマ

シェーマ1 未破裂胃穹窿部静脈瘤(群)

シェーマ2 胃穹窿部静脈瘤破裂例(B群)


■ 評価項目

1)主要評価項目 胃静脈瘤出血(B群は再出血率を治療法別に比較)
2)副次的評価項目

①死亡
②event(胃静脈瘤出血を含む上部消化管出血、肝癌の発生あるいは再発、肝不全)
③肝予備能(Child -Pugh),浮腫の程度、MELDの推移
④血液生化学データの推移
⑤脳症Grade
⑥肝癌合併例はAFPあるいはAFP-L3%、PIVKAⅡ
⑦内視鏡所見
⑧胃静脈瘤出血時の治療方法および治療日

治療方法
a) 内視鏡的治療(EIS,EVL,EISL)
b) IVR(B-RTO, TJO, PTO)
c) a)とb)の組み合わせ
d) その他(手術例や摘脾例など)

■研究責任者

 国立病院機構岩国医療センター内科 牧野泰裕