■目的

  • 慢性呼吸器疾患患者に侵襲的(IPPV)、非侵襲的(NPPV)人工換気療法を実施する場合の
    (1) 適応基準
    (2) 短期および長期的な安全性、患者予後、PS、QOL
    (3)医療経済効果について前向きコホート調査を行い
    有用性と問題点を基礎疾患別に明らかにする(本研究期間)。病院特性、重症度、基礎疾患等を加味し、エビデンスに基づいた人工換気療法の適応基準と、それに合致する体制作りを提案する(本研究成果で研究期間後予定)。

■対象

  • 登録期間中に慢性呼吸器疾患{(1)COPD、(2)間質性肺炎/肺線維症、(3)肺結核後遺症、(4)その他(塵肺、胸郭異常、気管支拡張症等)}がある、あるいは疑われる患者で、急性の増悪のためあるいは、慢性期に人工換気療法(IPPV、NPPV)を導入した患者(新規、あるいは再導入例の場合1年以上人工換気から離脱していた患者)。

■内容

  • ◆研究デザイン:前向きコホート研究

    人工換気導入時(登録時、1日後)に
    ・患者要因(基礎疾患、重症度、急性の増悪による導入か慢性期導入か、合併症、社会的特性)
    ・施設要因(病院の特性、導入の曜日、時間帯、主治医特性)
    を調査し治療選択(IPPVかNPPV)に影響を与える因子を調査する。
     短期(1ヶ月)、長期(12ヶ月)経過時点での、
    ①患者の状態:予後、ECOG performance status(PS)、Health related quality of life (HR-QOL: SF-36)
    ②人工換気療法関連合併症と他の合併症、および事故
    ③医療経済効果(入院期間、ICU滞在期間、挿管、気管切開率)
    を調査し、疾患別、初期の人工換気のタイプ等で比較する。途中で人工換気を離脱した患者も12ヶ月まで観察する。3ヶ月、6ヶ月目にも患者状態、合併症について観察する。

■研究責任者