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高度先端医療技術の開発及び臨床導入の主な例

膵島分離・凍結保存・膵島移植の臨床実施
施設名 千葉東病院
内容 わが国の膵島移植先進施設として、膵・膵島移植研究会の認定を受け(全国で7施設)臨床を行っている。2003年9月に国内初の膵島分離・凍結保存を実施、2004年4月に国内2例目の膵島移植(京都大学に次いで)を実施。現在までに25例の膵島分離、6例の膵島移植15例の凍結保存を実施している。平成18年度は3例の膵島移植を実施した。
生体膵臓移植の臨床実施
施設名 千葉東病院
内容 糖尿病、糖尿病腎不全に対し、2004年1月に国内初の生体膵臓移植(生体膵・腎同時移植を実施。現在までに8例の生体膵臓移植を実施した。国内では他に大阪大学1例、新潟大学1例の計10例が実施されている。平成18年度は3例を実施した。
末梢動脈閉塞疾患に対する血管再生医療の臨床実施:
骨髄単核球移入療法(BMI)または末梢血幹細胞移植療法(PBSCT)
施設名 千葉東病院
内容 透析患者、糖尿病患者を対象に、現在までBMI4回(4症例)、PBSCT18回(12症例)を施行した。平成18年度は、先進医療が認定され、2例のPBSCTを施行した。
MRIガイドの定位脳手術的RF温熱凝固術による視床下部過誤腫の低侵襲治療
施設名 西新潟中央病院
内容 難治性てんかん性笑い発作の外科治療として、視床下部過誤腫に対する直達手術やガンマナイフに代る最も有効性と安全性が高い手術法を開発し低侵襲性から二期的手術や大きな過誤腫に対する両側手術も可能である。国立てんかんネットワークの病院から患者が集中して症例の蓄積を行っている。
先天性水頭症の遺伝子解析(X染色体連鎖性遺伝性水頭症のL1遺伝子解析)
施設名 大阪医療センター
内容 X染色体連鎖性遺伝性水頭症を代表とする先天性水頭症の分子診断法として、その原因遺伝子である神経接着因子L1CAM(L1遺伝子)の遺伝子解析システムを確立し、確定診断、保因者診断、出生前診断に臨床応用している。
新しい免疫抑制剤(心・肺移植の拒絶反応抑制剤)
施設名 近畿中央呼吸器センター
内容 新しい移植拒絶反応抑制剤ヒト抗IL-6レセプター抗体を開発した。この抗体はキラーT細胞の分化を強力に抑制することを明らかにし、生体内でのマウス心臓移植拒絶反応を強く抑制し、延命効果を示した。移植(特に心臓移植・肺臓移植)における臨床応用を目指している
新しいDNAワクチンベクターの開発
施設名 近畿中央呼吸器センター
内容 結核に対して有効な予防ワクチン効果を発揮する上で、現存のベクターより強力な約300倍生体内(マウス)で発現効果がよいHVJ-エンベロープ・パウダー・ベクターを世界に先駆けて開発した。臨床応用を目指している。結核ワクチンのみでなくSARSワクチンやインフルエンザワクチンにも応用する。
重症肺胞蛋白症のGM-CSF治療法
施設名 近畿中央呼吸器センター
内容 肺胞蛋白症に対して有効な治療法はなく難病である。重度の肺胞蛋白症に対しGM-CSF(granulocyte macrophage-colony stimulating factor)のリコンビナント(組換え)蛋白の吸入は極めて有効な治療法であることを多くの症例で明らかにした。(胸部CT改善、KL-6値改善、肺胞洗浄液の改善)
骨折整復ロボットを用いた大腿骨近位部骨折の整復
施設名 大阪南医療センター
内容 従来、手術室で麻酔導入後に徒手的に行っていた大腿骨近位部骨折の整復を、骨折整復ロボットを用いて行う。ロボットを使用することで、骨折整復における定量的(整復に要する力の大きさ・方向・時間)な記録がカルテに保存できる。
ナビゲーションを用いた脊椎手術
施設名 大阪南医療センター
内容 手術前に撮像したCTをもとに、コンピューターを用いて術前計画を行い、ナビゲーション下に術前計画通りの手術を行う。あらかじめ計画した方向にスクリューを挿入できることで、安全性が向上するだけでなく、術前計画の段階で術後の機能を予測できる。
腹腔鏡補助下肝切除術
施設名 長崎医療センター
内容 肝部分切除(肝S6、S2、S3)あるいは肝外側区域切除などでは、腹腔鏡補助下肝切除術を積極的に導入している(皮切創;正中創6cm)。これにより、出血量を抑え術後疼痛の軽減厳可能で、QOLの向上に寄与している。また、美容上も有用である。
抗gp210抗体測定による原発性胆汁性肝硬変予後予測
施設名 長崎医療センター
内容 核膜孔蛋白であるgp210に対する自己抗体の測定法を開発し、原発性胆汁性肝硬変の診断と予後予測に臨床応用している。このアッセイ系を用いることにより、PBCの新しい病型分類が可能となっただけでなく、長期予後予測に基づく治療介入試験が可能となった。
ステロイド長期投与患者の難治性潰瘍に対する
線維芽細胞成長因子と人工真皮併用療法
施設名 長崎医療センター
内容 膠原病に起因する皮膚潰瘍は、原疾患の治療のために使用するステロイド剤が創治癒機転を妨害するため増悪し難治である。これらの難治性潰瘍に対し、私たちは人工真皮とFGF(線維芽細胞成長因子)-2の併用治療を試み良好な結果を得ている。WBPに則創傷管理と、人工真皮とFGF-2併用、適切な植皮術等の集約治療を行えば重症難治皮膚潰瘍でも治癒へと導くことができる可能性を示唆した。
自家静脈ガイドカバーを併用した神経移植による
海綿様神経切除後勃起能の回復
施設名 長崎医療センター
内容 前立腺癌の根治的全摘に際して海綿体神経を切除するため、勃起能障害が問題となっている。これに対して神経移植が施行されるが、神経吻合部位が骨盤最深部であり、顕微鏡下の操作が困難であるため結果は満足できるものではない。私たちは神経縫合に際して、自家静脈ガイドカバーを併用し臨床的に良好な結果を得ている。早期前立腺癌の診断が容易になってきた現在、本法はQOLを考慮する上で有用と考える。
海綿状血管腫に対するエトスクレロールの経皮腫瘍内注射療法
施設名 長崎医療センター
内容 海綿状血管腫は難治性の先天異常であり、切除以外に有効な治療法がないが多量の出血、DICなど合併症が多い。私たちは腫瘍全摘出が不可能な海綿状血管腫に対して、非襲侵的に血管硬化剤エトスクレロールの経皮腫瘍内局注の腫瘍内注を行いMRI画像上腫瘍血管の硬化閉塞が認められ、臨床的に効果を得ている。但し合併症を引き起こすことなく効果的に加療するための薬剤投与量など更に検討が必要と思われる。
難治てんかんの外科治療
施設名 長崎医療センター
内容 小児期ことに乳幼児の難治てんかんでは発作の頻発に伴い重度発達遅滞を来たすことが多い。このような例では早期の外科治療により発作消失のみならず発達改善が得られることも多いが、その手術適応、長期予後については不明な点が多く、手術症例は極めて少ない。当院では小児難治例の外科治療を多く行っており、その長期予後を詳細に検討することにより、手術適応の基準をより明確にすることが可能である。全国より患者が集まっている。
自己骨髄幹細胞移植による血管新生療法
施設名 熊本医療センター
内容 骨髄の幹細胞を末梢動脈の血管細胞に分化させて再生することにより、他に治療法がない閉塞性動脈疾患を治癒する技術の開発。全身麻酔下に自己の腸骨から骨髄液を採取し、幹細胞を濃縮分離し、患肢に数十箇所筋注することにより血管再生を行う。2006年8月に厚生労働省から高度先進医療として認可され、すでに実用化している。動脈硬化性閉塞性動脈疾患だけでなく非動脈硬化性閉塞性動脈疾患(バージャー病、膠原病、外傷性)にも有効である。
エキシマレーザー冠動脈形成術
施設名 鹿児島医療センター
内容 虚血性心疾患の原因である冠動脈狭窄・閉塞及び下肢(末梢)血管狭窄・閉塞の治療法としてエキシマレーザーシステムを用いた冠動脈形成術、末梢血管形成術の臨床的有用性及び安全性を確認する。

登録日: 2007年8月10日 / 更新日: 2023年9月8日

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