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M.F 先生 呼吸器内科

 

(1)  プログラム内容及び主旨

  この度、VA-NHO Visiting Resident Program (国立病院機構と米国退役軍人健康庁の提携により、米国退役軍人病院に専修医を留学派遣する制度)に参加させて頂きました。VA(Veterans Affairs) West Los Angeles Medical Centerに7週間滞在しInfection Disease、Infection control、Pulmonary and Critical care で研修、UCLA Sports medicine programにも参加しました。

 感染症科では基本的に、午前中は研修医ともに診察、午後から上級医と回診しカンファレンスといったスケジュールでした。Coccidioidomycosis、HIV感染症など日本では比較的まれな症例も経験しました。ratinaleに基づいた抗菌薬の使用が徹底されていました。カンファレンスや講義も多く、他施設との合同カンファレンスにも参加しました。 

 Pulmonary and Critical careでは各科からのコンサルテーション業務とICU回診、カンファレンスに参加しました。自身の専門とする領域であり、診断理論やエビデンスに基づいた治療の実践を学ぶことはとても有意義でした。また研修医とともに朝カンファレンスでのプレゼンテーション、日本で頻用される抗癌剤についてと自分が行っている臨床研究に関して発表する機会を得たことで、より積極的な議論ができるようになり、周囲の医師との関係性もよくなりました。研修医も含めてプレゼンテーションに関しては例外なくみな上手で見習うべき点が多かったです。

 今回初めて受け入れ可能となったUCLA Sports medicine programに参加させ頂き、Sports medicine のフェローに同行しました。現地の高校のフットボールの試合に同行し、学校のトレーンングルームでの診療も見学しました。米国のSports medicineは半分が整形外科領域、半分がFamily medicineに属するような形で、Family medicineに属するSports medicine フェローは、手術はできないものの、スポーツ外傷初期診療とスポーツにまつわる内科系全身管理を学んでおり、内科医の私にとっても非常に興味深い内容でした。

    プログラム全体の印象としては、電子カルテを自分のIDで閲覧できない点、診療には関われないなど多少のジレンマはあるものの、上級医はみな親切で、こちらが何かやりたいと発言すれば、基本的にどこにいくのも、何に参加するのも自由という環境でした。

(2)   国立病院機構の医療の質改善に関して

   最も印象的で日常の医療に還元できると感じた点は優れた教育制度と研修医を含めた若い医師を教育しようとする上級医の心意気です。カンファや講義が多く、みな忌憚なく意見できる雰囲気があり、非常に気持ちがよかったです。外来も病棟もまず患者を最初に診療するのは研修医や後期研修医で、その後上級医と患者を再度診察し、十分に診断や治療方針について話し合う時間が取られていました。指導は理論的でわかりやすく、エビデンスを教えた上で経験や症例に沿った方針を説明していました。私自身が関わったほぼすべての上級医は国籍や立場に関係なく学びたいという希望がある者には非常に親切でおしみなく時間をさき、チャンスを与えてくれました。このような開かれた教育環境は文化によるところも大きいと思われますが、少なくとも教える側の心持ちに関してはすぐに還元できる余地があると思われました。また外来は完全個室でプライバシー保護も含め医師の患者に対する礼節が徹底されているところも見習うべき点だと感じました。  

(3)    留学生活に関しての情報

 カーニッツ先生、秋葉先生、コーディネー
ターの大西さんがかなり気にかけて下さり、
プログラム変更やこちらの要望もある程度考
慮して頂けます。週末は海に行ったり、観光
したりしていましたが、土曜日は毎週個人レ
ッスンの英会話に通っていました。

 

 

登録日: 2013年9月26日 / 更新日: 2013年10月3日

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