当機構における虐待防止対策の取り組みについて
当機構は長年にわたり、重症心身障害、筋ジストロフィー等神経・筋疾患等のセーフティネット医療を提供してきました。そして、これからも地域医療及びセーフティネット医療を提供すると同時に、障害福祉サービス事業所として障害を有する一人ひとりに寄り添ったより質の高い障害福祉サービスの提供に向けた不断の取り組みと、障害者の人権を擁護する拠点であり続けることが必要と考えています。
他方では、2006年の国連総会において「障害者の権利に関する条約」が採択され、我が国においても2007年に署名、2014年に批准・発効され、この条約や改正された障害者基本法等に基づき、障害者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障害者の固有の尊厳の尊重を促進すること等が一層求められています。
そのような中、当機構病院の職員による入院中の障害者への虐待事案が発生し、一部の事案については当該病院に対して第三者委員会から再発防止策等の提言がなされました。これを受け、当機構としては機構全体で重く受け止め、当該病院の再発防止策にとどまらず当機構としての対応を検討しました。
具体的には、
1.職員の意識改革(人権意識、教育研修の充実)
2.内部通報体制・システムの実効性確保
3.「外部の目」の導入
の3つの視点から、当機構としての虐待防止及び発生時の取り組みに係る「基本的な考え方」を整理しました。
今後とも、患者(利用者)・家族の方及び国民の皆様の安心・信頼の確保のため、虐待防止に向けた不断の取り組みを実践し、当機構病院が障害者の人権を擁護する拠点であり続けるよう、たゆまぬ努力を重ねてまいります。
1.職員の意識改革(人権意識、教育研修の充実)
職員の人権意識は、リーダーである管理者のゆるぎない意識と姿勢により組織として醸成されるものであること。自院は患者(利用者)の人権を擁護する拠点であるという意識を、まず管理者が率先して示し、組織の問題として、管理者を先頭に職員全員で取り組むべき重要な課題であること。
その上で、教育研修は職員がやりがいと成長を感じるための重要な要素であり、研修の実施にあたっては、人権意識・倫理、病態に対する専門的知識、支援技術向上のための研修、アンガーマネジメント研修等の継続的実施が重要であること。
特に人権意識・倫理に関して、職員が患者(利用者)の介助を行う際には、障害福祉サービス事業所としての運営基準等のルールを遵守することは当然のこととして、患者(利用者)の状態を理解し、その尊厳を尊重し、患者(利用者)を一人の「人」として大切にして、本人が望む生活に向けた支援を行うことが重要であること。
さらに、一方的な講義形式のみではなく、多職種によるグループディスカッションや、ロールプレイングによる患者(利用者)体験等を取り入れ、研修内容の深化に取り組むことが重要であること。
なお、グループディスカッションやロールプレイングは、その特性上どうしても全職員が参加する形式での実施が難しく、参加者が少人数になりがちであるため、参加者は自部署において伝達講習を行う等、参加者以外にも研修での学びを共有することが重要であること。
2.内部通報体制・システムの実効性確保
最初は軽微な虐待行為であったものが放置されることでエスカレートし、重大な事象を引き起こすことがあること。虐待が軽微な段階で適切に通報できていれば、患者(利用者)の被害は最小限に留められ、かつ行為者もより早いタイミングで行為者自身の行為を振り返ることができること。
通報がもたらす本質的なことは、患者(利用者)、職員、病院、当機構すべてを救うものであることを改めて認識する必要があること。
そのために、職員が虐待の疑いを発見した際にどのような対応の手順をとるべきか、また、病院はいかなる対応をしていくのか、通報とそこからの対応の手順を明らかにしておくことが重要であること。
しかしながら、様々な要因により職員が通報を躊躇することもあるため、管理者は、必要な通報が適切に行われるための土壌作りに取り組む必要があること。
そのためには、通報時には通報した者が保護されることが極めて重要であること。通報者が明らかな形で虐待疑い事案に係る報告を受けた際は、通報者が特定されないよう、細心の注意を払った対応が必要であること。
一方で、職員が安心して働ける環境づくりも大切であること。職員のストレスも虐待を生む背景の一つと考えられ、職員が抱えるストレスの要因を把握し、改善につなげることで職員のメンタルヘルスの向上を図ることが望まれること。ストレスを抱えた職員が、こころの悩みを相談できるよう設置されたメンタルヘルス相談窓口について、更なる周知徹底を図ることが重要であること。
3.「外部の目」の導入
虐待事案は、いわゆる「密室環境」において発生のリスクがより高まるとされており、このため、家族会や地域との交流、実習生やボランティアの受入、患者(利用者)との意見交換など、職員以外の方から病院に対する感想や意見を聞く場を積極的に設けることにより、虐待の芽に気づき、予防する機会に繋がると考えられること。
また、虐待防止委員会に外部委員を入れてチェック機能を持たせる等、形骸化しないように実効的な組織形態にする必要があること。
他方では、2006年の国連総会において「障害者の権利に関する条約」が採択され、我が国においても2007年に署名、2014年に批准・発効され、この条約や改正された障害者基本法等に基づき、障害者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障害者の固有の尊厳の尊重を促進すること等が一層求められています。
そのような中、当機構病院の職員による入院中の障害者への虐待事案が発生し、一部の事案については当該病院に対して第三者委員会から再発防止策等の提言がなされました。これを受け、当機構としては機構全体で重く受け止め、当該病院の再発防止策にとどまらず当機構としての対応を検討しました。
具体的には、
1.職員の意識改革(人権意識、教育研修の充実)
2.内部通報体制・システムの実効性確保
3.「外部の目」の導入
の3つの視点から、当機構としての虐待防止及び発生時の取り組みに係る「基本的な考え方」を整理しました。
今後とも、患者(利用者)・家族の方及び国民の皆様の安心・信頼の確保のため、虐待防止に向けた不断の取り組みを実践し、当機構病院が障害者の人権を擁護する拠点であり続けるよう、たゆまぬ努力を重ねてまいります。
<虐待防止及び発生時の取り組みに係る基本的な考え方>
1.職員の意識改革(人権意識、教育研修の充実)
職員の人権意識は、リーダーである管理者のゆるぎない意識と姿勢により組織として醸成されるものであること。自院は患者(利用者)の人権を擁護する拠点であるという意識を、まず管理者が率先して示し、組織の問題として、管理者を先頭に職員全員で取り組むべき重要な課題であること。
その上で、教育研修は職員がやりがいと成長を感じるための重要な要素であり、研修の実施にあたっては、人権意識・倫理、病態に対する専門的知識、支援技術向上のための研修、アンガーマネジメント研修等の継続的実施が重要であること。
特に人権意識・倫理に関して、職員が患者(利用者)の介助を行う際には、障害福祉サービス事業所としての運営基準等のルールを遵守することは当然のこととして、患者(利用者)の状態を理解し、その尊厳を尊重し、患者(利用者)を一人の「人」として大切にして、本人が望む生活に向けた支援を行うことが重要であること。
さらに、一方的な講義形式のみではなく、多職種によるグループディスカッションや、ロールプレイングによる患者(利用者)体験等を取り入れ、研修内容の深化に取り組むことが重要であること。
なお、グループディスカッションやロールプレイングは、その特性上どうしても全職員が参加する形式での実施が難しく、参加者が少人数になりがちであるため、参加者は自部署において伝達講習を行う等、参加者以外にも研修での学びを共有することが重要であること。
2.内部通報体制・システムの実効性確保
最初は軽微な虐待行為であったものが放置されることでエスカレートし、重大な事象を引き起こすことがあること。虐待が軽微な段階で適切に通報できていれば、患者(利用者)の被害は最小限に留められ、かつ行為者もより早いタイミングで行為者自身の行為を振り返ることができること。
通報がもたらす本質的なことは、患者(利用者)、職員、病院、当機構すべてを救うものであることを改めて認識する必要があること。
そのために、職員が虐待の疑いを発見した際にどのような対応の手順をとるべきか、また、病院はいかなる対応をしていくのか、通報とそこからの対応の手順を明らかにしておくことが重要であること。
しかしながら、様々な要因により職員が通報を躊躇することもあるため、管理者は、必要な通報が適切に行われるための土壌作りに取り組む必要があること。
そのためには、通報時には通報した者が保護されることが極めて重要であること。通報者が明らかな形で虐待疑い事案に係る報告を受けた際は、通報者が特定されないよう、細心の注意を払った対応が必要であること。
一方で、職員が安心して働ける環境づくりも大切であること。職員のストレスも虐待を生む背景の一つと考えられ、職員が抱えるストレスの要因を把握し、改善につなげることで職員のメンタルヘルスの向上を図ることが望まれること。ストレスを抱えた職員が、こころの悩みを相談できるよう設置されたメンタルヘルス相談窓口について、更なる周知徹底を図ることが重要であること。
3.「外部の目」の導入
虐待事案は、いわゆる「密室環境」において発生のリスクがより高まるとされており、このため、家族会や地域との交流、実習生やボランティアの受入、患者(利用者)との意見交換など、職員以外の方から病院に対する感想や意見を聞く場を積極的に設けることにより、虐待の芽に気づき、予防する機会に繋がると考えられること。
また、虐待防止委員会に外部委員を入れてチェック機能を持たせる等、形骸化しないように実効的な組織形態にする必要があること。
令和7年3月26日
独立行政法人国立病院機構
独立行政法人国立病院機構
理事長 新木 一弘
登録日: 2025年3月26日