京都医療センター 副院長 小泉欣也  

  平成19年に施行された『がん対策基本法』はがん対策推進協議会に患者代表を入れたことが特徴的で、京都府も地域がん拠点病院にがん患者の視点に立った情報提供や、患者会等の育成、患者サロンの設置を支援しています。

 京都医療センターも理念として『私たちは患者さんの痛みに共感し。患者さんと共に病気と向かい合い、安全で高度な医療を実践します』と患者さんの視点にたった医療を掲げ、がん対策基本法に先立ち平成18年12月より市民公開がん講座を開催し、現在までに5回を数え、情報提供に努めています。

 今回京都がん医療を考える会より強い要望があり、さらなる進展を目指し、以下のがん患者サロンの発足会が平成20年3月11日京都医療センター一階ロビーで開催されました。初めに、私から発足会の祝辞を述べ、京都がん医療を考える会理事長が設立趣旨を述べられ、世話役の人たちのご自分の病気の体験談を話された後、「からだと心のためのコンサート」と題し、若いボランチアの音楽家たちの演奏で盛り上げていただき、多くの参加者の心が癒されました。


  現在、会の運営は、京都医療センターに受診しておられる患者さんやそのご家族からなるうずらプラナスの会員を中心でなされ、NPO法人(特定非営利活動法人)京都がん医療を考える会の会員の皆様が、サポートしておられます。

 毎週金曜日、午前10時~午後3時の間に病院の1階の患者さんから最も目に付く位置に「う

ずらプラナスの会 がん患者サロン」と名付け3月14日から開放し、すでに多数の患者さんが相談事や各々の思いを語りに足を運ばれています。がんを体験した患者さん同士の語り合いはお互い癒され、元気付けられると述べられておられます。

医療者と患者さんとの関係はパターナリズムからインフォームド・コンセントへと大きく変化いたしましたが、まだまだ医療者と患者さんとの垣根は高く、医療の現場以外で医療者が患者さんやご家族と語り合うのは、その垣根を低くするという効果も期待でき、今後益々発展するように援助していきたいと思っています。

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