診療看護師 業務説明会

 平成24年2月22日水曜日、国立病院機構本部にて「診療看護師」の業務説明会が行われました。

 米国では「ナースプラクティショナー」(以下NP)という医師と連携・協働して質の高い医療サービスを提供する看護師が医療現場で活躍しており、日本でもNPを導入しようという動きが進んできました。

 国立病院機構ではいち早くこの動きに取り組み、独自に日本版診療看護師(JNP)として養成コースの受講生を募集し、東京医療保健大学大学院看護学研究科(国立病院機構校)で2年間高度な医学知識や技術を学んでもらう試みを行ってきました。

 今回の業務説明会は、この診療看護師養成コースの第1期修了生が国立病院機構の病院で働くにあたっての説明会です。

 


 

   説明会冒頭には(独)国立病院機構 理事長 矢崎義雄からの挨拶がありました(以下要約)。

 「みなさん2年間ご苦労様でした。

  看護師というのは患者さんにとって一番身近でコミュニケーションを取りやすい人です。
  そういった看護師が、診療看護師として高度な医学知識と技術をもって業務を行えば、たとえ形の上では従来の看護師と同じ行為であったとしても、チーム医療における役割という意味では違ってきます。患者さんの満足はより深まるでしょう。
  またそれに伴い、ご自身にとっても充実した業務を行えることを願います。

  みなさんには今後もオン・ザ・ジョブ・トレーニングのような形で現場で数年間学んでいただき、さらに力をつけていただきたい。

  国立病院機構は今後ともみなさん診療看護師をサポートし続けます。」

 

 診療看護師養成コースでは、救急患者らに必要な検査・評価や外傷や術後の傷の処置・縫合等、20の医療措置を教えています。

 こうした知識や技術を身につけた診療看護師によって、チーム医療の推進や医療の質の向上を図ることが出来ます。

 

 

 

 

    今回説明会を受けた第1期生は、3月の認証式を経て4月から正式に国立病院機構の各病院で診療看護
   師としての仕事を始めます。


    今後も養成コースを修了して診療看護師として働く看護師の数は充実していく予定です。

 


    

 

矢崎理事長と診療看護師第1期生

参考として、

特定看護師についての報道ビデオを観る

山西看護担当理事

泉管理担当理事

 


 

NP(ナースプラクティショナー、診療看護師)とは

 NPとは、「臨床の現場での多様な状況に対応するために、チーム医療として、患者のいのちの一番近くで、高度な専門知識を活用した総合的な判断により、医療行為に踏み込んだ実践ができる、自立した看護師」のことです。ER(救急救命室)での救急搬送患者に対する救命救急やICU(集中治療室)の重症患者に対する集中ケアなどクリティカルな領域において、NPが従来の看護師が行っていたものよりも踏み込んだ効果的な医療を提供することで、チーム医療の推進や医療の質の向上につながります。NPの育成においては、実践に則したシミュレーション演習及び臨床実習を重視して、実践的な指導が行われます。

 

◆クリティカルな医療の現場でNPに求められる能力

  • 状況に対応して総合的に判断・診断する能力
  • クリティカル領域における看護実践能力
  • 状況に対応した治療を実践できる能力
  • 倫理的意思決定能力
  • 医療従事者との協働・ネットワーク推進能力
  • トップマネジメント能力
  • 研究開発能力