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国立病院機構・労働者健康安全機構間の連携について

国立病院機構・労働者健康安全機構間の連携について

~ 平成29年2月時点での報告 ~



はじめに

  国立病院機構と労働者健康福祉機構間の連携の推進、強化を確実に実施するため、
 平成24年2月2日に厚生労働省所管課及び両機構において、今後の進め方を協議し、
 平成24年2月24日に「国立病院機構・労働者健康福祉機構協議会設置要綱」を定め、
 第1回協議会を開催した。これを受けそれぞれの作業グループにおいて連携推進・連
 携強化について積極的に検討を行い、その結果を同協議会の開催に併せて報告として
 取りまとめた。
  両機構は、引き続き連携強化等に努めてきたところであり、その後の協議会の開催
 に併せて報告書を取りまとめているが、今般、平成29年3月22日の協議会開催を経
 て、平成29年2月時点における状況を以下のとおり取りまとめた。
 【これまでの報告書取りまとめ状況】
  第1回目 平成23年度末時点
  第2回目 平成24年6月時点
  第3回目 平成24年10月時点
  第4回目 平成25年11月時点
  第5回目 平成26年11月時点
  第6回目 平成28年2月時点
  なお、労働者健康福祉機構は、「独立行政法人に係る改革を推進するための厚生労
 働省関係法律の整備等に関する法律」(平成27年法律第17号)の施行により、平成28
 年4月に法人の名称を労働者健康安全機構に改称した。

これまでの連携検討状況等

(1)医薬品の共同購入
   平成24年7月から国立病院機構及び労働者健康福祉機構並びに国立高度専門医療
  研究センターが連携を図り共同入札を実施している。
   直近においては、国立病院機構(144病院)及び労働者健康安全機構(34病院)
  並びに国立高度専門医療研究センター(8病院)が参加する約9,000品目の医薬品の
  共同入札を平成28年7月に実施し、期間を平成28年9月から平成29年9月までの1
  年1か月間として8月に契約を締結している。
   今後も、引き続き両機構及び国立高度専門医療研究センターが連携を図り、医薬
  品の共同入札を実施することとしている。
(2)医療機器の共同購入
   平成24年8月に国立病院機構及び労働者健康福祉機構が連携して、CT、MR
  I、ガンマカメラ、X線透視撮影装置、マンモグラフィー、血管連続撮影装置、P
  ET-CT、一般撮影装置(FPD)の8機種の医療機器を対象とした最初の共同
  入札を実施し、その後は毎年、共同入札を実施している。
   平成25年度の共同入札からはリニアック及び外科用X線撮影装置の2機種を加え
  た10機種に対象を拡大し、平成27年度からは地域医療機能推進機構も加わり共同入
  札を実施している。
   平成28年度においては、3機構が連携して共同入札を7月に実施し、すべて落札
  者が決定した。
   平成29年度も引き続き3機構が連携を図り、医療機器の共同入札を実施すること
  としている。
(3)治験の共同実施
   治験依頼者から新規治験等参加意向調査の依頼があった場合に、治験依頼者の了
  解が得られれば相互に調査を紹介することとした平成24年度の協議結果を踏まえ、
  まずは国立病院機構の特定使用成績調査について、平成25年度から労災病院でも治
  験依頼者と契約を締結し、共同で症例登録を行った。この特定使用成績調査(登録
  期限:平成27年3月、調査期限:平成31年3月)では、国立病院では953例、労災
  病院では149例の症例を登録しており、平成28年度においては、登録した症例の報
  告書を作成している。
   今後、両機構が共同して行った症例登録の成果、調査結果を踏まえ、新たな連携
  課題について検討していく。
   また、国立病院機構が主催する「初級者臨床研究コーディネーター養成研修」
  (日本臨床薬理学会認定)には平成24年度から、「治験及び臨床研究倫理審査委員
  に関する研修」(治験審査委員会・倫理審査委員会等の円滑な運営を目的としたも
  の)には平成25年度から労災病院の職員が参加しているが、平成28年度において
  は、前者に5労災病院から5名の薬剤師が、後者に5労災病院から5名の医師、薬
  剤師が参加した。
(4)診療情報システム等の情報共有
   平成24年度以降、両機構が運用している診療情報システムに関する情報交換を進
  めている。また、両機構が参加した厚生労働省事業「医療の質の評価・公表等推進
  事業」の成果を踏まえ、臨床評価指標の結果を継続的に共有してきた。
   平成27年度においては、当該指標を掲載した両機構のホームページに相互リンク
  を設定し、平成28年度においては、労働者健康安全機構の一部の指標の算出方法を
  国立病院機構に合わせて比較しやすくするなどして、利用者の利便性向上を図って
  いる。
(5)医学的知見・症例データの共有化
   これまでに近接する国立病院及び労災病院においては、合同研修会の実施や、双
  方の症例検討会にそれぞれの職員が相互に参加するなどして、医学的知見・症例
  データの共有化を図ってきた。
   また、労働者健康福祉機構が平成26年度から開始した第3期労災疾病等研究に
  は、国立病院機構から医師が参画し、症例データ等の提供を受けている。
   さらに、両機構がそれぞれ中心的に関わっている国立病院総合医学会、日本職
  業・災害医学会学術大会については、開催情報の共有を相互に進めてきており、平
  成28年度においても、両医学会においてそれぞれ発表する等、医学的知見・症例
  データの共有化による成果の普及を図っている。
(6)人事交流
   これまでに個々の国立病院と労災病院との間では、医師派遣による連携・協力を
  相互に行ってきており、平成27年度には、1,078人日の医師派遣の実績を挙げてい
  る。平成28年度においても、このような連携・協力を引き続き推進しているところ
  である。
   また、両機構間での研修の効果的な活用の一環として、平成24年度から両機構が
  主催する研修への相互参加を進めているが、平成28年度においては、以下の研修に
  それぞれの職員が参加している。
 【平成28年度国立病院機構主催の研修】
  ・初級者臨床研究コーディネーター養成研修 (5月23日~27日)
  ・良質な医師を育てる研修(神経・筋 (神経内科)入門研修)(7月29日~30日)
  ・重症心身障害児(者)医療に関する研修 (8月4日~5日)
  ・良質な医師を育てる研修(肺結核・非結核性抗酸菌症・真菌症)
   (9月23日~24日)
  ・HIV感染症研修(東海北陸、近畿、中国四国、九州 (9月26日~28日)
  ・良質な医師を育てる研修(神経・筋(神経難病)診療中級研修)
   (9月30日~10月1日)
  ・治験及び臨床研究倫理審査委員に関する研修 (9月27日)
  ・重症心身障害児(者)医療に関する研修 (10月6日~7日)
  ・良質な医師を育てる研修(脳卒中関連疾患診療能力パワーアップセミナー)
 (10月14日~15日)
  ・HIV感染症研修(北海道東北、関東信越) (1月19日~20日)
  ・放射線関係法令研修 (2月23日)
 【平成28年度労働者健康安全機構主催の研修】
  ・臨床検査技師研修 (7月13日~15日)
  ・専任教員・臨地実習指導担当者研修 (8月3日~5日)
  ・栄養士研修 (9月28日~30日)
  ・継続教育担当者研修 (10月26日~28日)
  ・初期臨床研修医研修 (11月11日~12日)
  ・理学療法士・作業療法士研修 (11月16日~18日)
  ・新人看護職教育担当者研修 (11月30日~12月2日)
  ・医療職研修 (2月2日~3日)
  ・医療職中堅研修 (2月16日~17日)

今後の連携について

  上記に加え、各事項とも引き続き両機構間の連携強化、深化に努めていくこととし
 ている。

登録日: 2017年3月31日

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